こころの気圧配置図

甲府市北部を起点にしたサイクリングコースを提案しています。その他、日常のこと、園芸のことなど、右下の「カテゴリー」からどうぞ。

一日で1都4県廻ってみた

一日で一都四県廻ろうという今回のコース。
GPSロガーが補足した軌跡は以下。

このコース、実は2年前に失敗している。埼玉県に入ったばかりの山伏峠手前で撤退。帰りの松姫峠で日没し自走を断念。大月のダイエーまで嫁に迎えに来てもらうというヘタレた結果となった。
http://d.hatena.ne.jp/hirohiro/20100822

以来、封印していたのだが『今ならいけるような気がする』という思いが急に沸き起こり、決行を決意。

AM2時起床。ラーメンライスを食べ、3時出発。

新聞配達のカブが行き交う中、東へと自転車をこぐ。少し肌寒いがTシャツ・短パン姿の出で立ち。

寝静まった塩山駅付近。

月明かりの中、柳沢峠までの道を登る。右手にオリオン座が輝き、星の綺麗な夜だった。ただ、月明かりにボーッと浮かび上がるお墓の脇を通った時は怖かった。
こんな時はラジオが恐怖を和らげてくれる。音量を上げて闇を漕ぎ進む。

途中から夜が明け始め、柳沢峠に着く頃には明るくなっていた。
家からの距離39km、時刻は5:45。標高1472m。柳沢峠から観える富士山。

そのまま東へ下る。丹波山村では霧に見舞われた。

そして奥多摩湖。東京都に入る。家からの距離64km、時刻は6:40。

今回はこのように常に標高断面が見えるようにした。漕ぎ方に緩急が付けられ我ながらグッドアイデア

R411奥多摩湖沿いはトンネルだらけ。夜でなくてもライト点灯は必要。

軍畑駅入口を左折し県道(都道?)に入る。R411とお別れ。

途中とんでもない坂の箇所があり、禁断のフロント24Tを早くも使用。先が思いやられると思ったが、使ったのはここだけだった。よっぽど急勾配だったのだろう。

小沢トンネルの途中で埼玉県に入る。
標高350m。家からの距離99km、時刻は8:20。一都(東京都)クリア。

次に山伏峠に到着。標高630m。二年前は直前で撤退し来ることができなかった。

山伏峠を秩父方向へ下りR299に入る。ここまで来たらもう後には戻れない。長野県佐久穂町まで約100Kmの長い区間、R299を走ることになる。

秩父市内の様子。

市内を抜け再び山道へ。
途中『トマトが食べたいな〜』と考えていたら、偶然にも無人販売が現れた。しばし休憩。トマトをほおばる。100円で4玉。美味しかった。

滋賀坂トンネルを抜け群馬県へ。
標高800m。家からの距離163km、時刻は12:20。一都一県(東京都→埼玉県)クリア。

次は長野県との県境、十石峠を目指す。通過する上野村売店や施設が多く、水分の補給には困らない。
国道が徐々に林道っぽくなってくる。
しばらく行くと、何と「落石対策法面工事」のため通行止め!
なんだよ、工期「4月23日→当分の間」って、直す気ないだろう(笑)

これは困った。いまさらコース変更は考えられない。
ところが、添えられている崩落現場の写真を見ると全然大したことない。柵を乗り越えて行くしかない!

携帯電話(au)は国道上なのに圏外。双方向閉鎖されているのでこの区間に居る車両は僕だけだろう。心細い。天候も曇天になってきて不安に拍車をかける。ここでもラジオのボリュームを上げる。日曜バラエティー司会の山田邦子の声が林道に響き渡っていた。
工事箇所は普通に通れ、その他、ガレや落ち葉に覆われている区間はあったが想像の範囲内だった。しかし…これが“国道”とは…

約10Km先にあった反対側のゲート。ここも自転車をヒョイと持ち上げ通過。なんとか行程通り進めた。

十石峠の展望台が見えたときは思わず『やったー』と声が出た。歩きだったら小躍りしていただろう。

十石峠着。長野県へ。標高1360m。家からの距離199km、時刻は15:10。一都二県(東京都→埼玉県→群馬県)クリア。

ここまで来てようやくミッション成功を意識。行程の中で初めて腰を下ろし休んだ。汗でぬれたシャツを着替える。

峠を長野県側に下り、長い長いR299から山梨県に通じるR141へ。ホームグランドに戻ってきた気分。

途中、ナナーズ小海店で牛乳を買って飲む。儀式のようなものだ。

その後も快調かつ安全に飛ばして、最後にもうひと頑張り。南牧村市場坂手前で『一本いっとく?』友人からもらったアミノバイタルをニンニクの力で流し込む。
…なんか別な所に効いてしまいそう(笑)

野辺山で山梨県に再突入。家からの距離249km、時刻は18:00。一都三県(東京都→埼玉県→群馬県→長野県)クリア。


19:40帰宅。家を出て16時間40分。家からの距離294km、
一都四県、山梨県(自宅)→東京都→埼玉県→群馬県→長野県→山梨県(自宅)で一筆書き完成。
かくして2年前の雪辱を果たした。
このコース、また走りたいか?と訊かれたら…
もちろん、次は神奈川県も入れて1都5県で…と言うのは冗談で、もういいです、と答えるだろう。
※冗談で書いたつもりが、翌年決行しました。→「一日で1都5県廻ってみた

距離:294Km、時間:15時間11分(乗車時間)
積立標高:10962m(カシミールによる)
最高標高:柳沢峠1472m、最低標高:秩父市内:200m

●あとがき
マウンテンバイクかロードバイクか2日前まで悩んだ。
ロードバイクの方が楽なのは分かっている。しかし、パンクや故障、迷走など、僅かなアクシデントでも今回のミッションを失敗に導くと予見。
国道299の山間部は「酷道299」と揶揄される程の悪路。またR141の小海町付近はも必ずしも良好とはいえない。
そんな訳で、少しでもリスクを回避したいという思いから多少負荷が増えても、堅牢に勝るマウンテンバイクを選んだ。
なにより、同じ自転車で挑んでこそ“リベンジ”と言えるのではないか。

迷走防止については2年前間違えた交差点を始め、間違えそうな箇所をすべてGoogle Street Viewで確認。今度は間違えず行程を消化できた。便利な時代になった。